かつて一世を風靡した、あの「フェスティバ」が再び注目を集めています。1980年代から1990年代にかけて、コンパクトでキュートなスタイルと個性的な装備が魅力だったこの車は、特にキャンバストップ仕様が若い女性を中心に大人気となりました。実はこのフェスティバ、フォードのブランドで販売されていたものの、製造はマツダが手掛けていたのです。今回は、その背景と、フェスティバがなぜ今でも魅力的な車として語り継がれているのかに迫ります。

■ マツダが作ったフォード車、フェスティバ

1986年に登場した「フェスティバ」は、フォードブランドで発売されましたが、実際の開発と生産はマツダが行っていました。フェスティバは、フォードとマツダが提携していた時期に生まれた「OEM車両」の一例で、マツダの技術とフォードのブランド力を組み合わせた結果、コンパクトカー市場で大ヒットを記録しました。

フェスティバはその外観がコンパクトでありながらもスタイリッシュで、特にキャンバストップ仕様は「おしゃれ」「外車っぽい」と話題になり、特に若い女性の間で人気が爆発しました。オープンカーほど大袈裟ではないものの、簡単に開閉できるキャンバストップは、都会でのドライブやカフェ巡りを楽しむためのファッションアイテムのような存在だったのです。

■ 外車感覚の魅力

フェスティバは、フォードブランドということもあり、当時の日本市場では「ちょっとした外車感覚」を持てる車としても注目されました。エクステリアはシンプルながら洗練されており、街中で目立つ存在でした。特にキャンバストップ仕様は、晴れた日に屋根を開けて走ることができ、まさに「外車風のライフスタイル」を感じさせました。価格も手頃だったため、多くの若い人々が「外車を持つような感覚」で手に入れることができたのです。

■ キャンバストップが大ヒットした理由

キャンバストップ仕様が女子にバカ受けした理由は、その開放感とファッション性にあります。オープンカーに憧れつつも、維持費や実用性に不安を感じていたドライバーにとって、フェスティバのキャンバストップは理想的な選択肢でした。スイッチ一つで簡単に屋根を開閉でき、気軽に風を感じるドライブが楽しめることが、特に若い世代の女性に受けたのです。

さらに、コンパクトなボディサイズで運転しやすく、狭い道や駐車が多い都市部でも扱いやすかった点も人気の理由です。車内のデザインもシンプルかつ機能的で、ドライブや日常の移動が一層楽しいものとなりました。

■ 今でも通用する魅力

フェスティバのデザインやコンセプトは、時代を超えても通用するものがあります。コンパクトで扱いやすく、シンプルかつスタイリッシュなデザインは、現代のミニマリズムや効率を重視するドライバーにも響くポイントです。特にキャンバストップ仕様は、現代でも十分に魅力的な装備であり、外車のような気軽な楽しさを提供してくれるでしょう。

また、レトロな外観は現在の「ヴィンテージカー」や「クラシックカー」ブームとも相性が良く、今でも愛好家が多いのもうなずけます。個性的で愛らしいルックスは、どこか懐かしさを感じさせながらも、時代を超えて楽しめる要素を持っています。

■ まとめ

マツダが手掛けたフォードの「フェスティバ」は、そのコンパクトさと外車感覚、特にキャンバストップ仕様が女子に大ヒットしたことで、多くの人に愛され続けています。現代においても、その魅力は色あせることなく、レトロ感と機能性が融合した一台として語り継がれる存在です。今でも乗り続けているオーナーや、再びその魅力を見出す人々にとって、フェスティバは「あり！」の一台と言えるでしょう。