クルマの屋根にある「謎の角(ツノ)」の正体とは? 実は重要な役割が?
街中を走るクルマの屋根に、小さな「ツノ」のような突起物を見たことがある人も多いのではないでしょうか。この「ツノ」は、車種によってデザインが異なりますが、多くの現代車に装備されています。「無くてもいいのでは?」と思うかもしれませんが、実はこの小さなツノには重要な役割があります。今回は、この「謎の角」の正体とその役割、そしてなぜ現代のクルマにとって欠かせないのかを解説します。
正体は「シャークフィンアンテナ」
クルマの屋根に見られる「ツノ」の正体は、「シャークフィンアンテナ」と呼ばれるアンテナ装置です。その名の通り、サメの背びれ(シャークフィン)に似た形状からそう呼ばれています。このアンテナは、従来の長い棒状のラジオアンテナの進化形であり、コンパクトで空力的なデザインが特徴です。
何がスゴいのか? 役割を詳しく解説
シャークフィンアンテナは、クルマに搭載されるさまざまな通信機能をサポートするための重要なパーツです。以下のような役割を担っています。
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GPS(全地球測位システム)アンテナ
ナビゲーションシステムが正確に位置を特定するために、GPSアンテナが必要です。シャークフィンアンテナは、これを受信する役割を果たし、現在地の情報をクルマのシステムに伝達します。 -
ラジオアンテナ
従来の長い棒状アンテナに代わり、シャークフィンアンテナがラジオ信号を受信する役割を担います。見た目がすっきりしているだけでなく、風の抵抗を減らす空力的なメリットもあります。 -
ETCや通信システムのアンテナ
ETC(自動料金収受システム)の信号受信や、車内インターネット接続、車車間通信(V2V通信)といった先進的な通信システムに対応するためのアンテナとしても機能しています。特に、コネクテッドカーと呼ばれる、インターネットやクラウドを活用した新世代の車両では重要な役割を果たしています。 -
スマートエントリーシステム
最近のクルマでは、スマートキーによるリモートエントリーやエンジン始動が主流です。シャークフィンアンテナは、こうした無線通信の範囲を広げ、車両との通信を安定させるのに役立っています。
なぜ「シャークフィン」なのか?
シャークフィンアンテナは、単なるデザイン上の要素だけではありません。その形状は、空力的に優れた特性を持ち、風の抵抗を減らす効果があります。クルマの速度が上がるほど、空気抵抗は燃費や騒音に影響を与えますが、シャークフィン形状にすることで、これを最小限に抑えることができるのです。また、コンパクトで目立たないため、デザイン性も損ないません。
無くても大丈夫?
技術が進化した現代の車両では、シャークフィンアンテナは欠かせない存在です。特に、GPSや通信機能を使わない限りにおいては、理論的には「無くても大丈夫」かもしれません。しかし、ナビゲーション機能や音楽、通信サービスの利用、さらにはETCなど、日常的に使う機能の多くがこのアンテナによって支えられているため、日常生活には欠かせないパーツとなっています。
まとめ
クルマの屋根にある「謎の角(ツノ)」、正体はシャークフィンアンテナという重要なパーツであり、車両の通信やナビ機能を支える役割を担っています。見た目は小さいものの、その機能は現代の車両にとって非常に重要で、快適なドライブ体験を支える存在です。次にクルマを見る際は、この小さな「ツノ」がどれだけ多くの役割を果たしているか、ぜひ注目してみてください。